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これは、あれだな。
火で炙ったら、文字が浮き出てくるやつだろう。
アロマキャンドルに火をつけ、ハガキを炙るように翳してみる。
すると、みるみるうちに文字が浮き上がってくる。
「どれどれ?」
キャンドルの火を消して、ハガキの文字を見る。
すると、そこに書かれていたのは…。
「残念……」
え?
何が?
何が?どれが残念?
俺の一年が残念ですか?
それとも、炙り文字じゃないって事ですか?
そこのとこハッキリしてもらわないと、物凄く不吉な感じの年明けになるんですけど。
え?
もしかして、小暮さんに会うまで、このまま放置ですか?
………仕方ない。
仕事始めは、真っ直ぐに小暮さんの所に行こう…。
「これは……西山さんだな」
『あけおめ~!ことよろ~!』の文字に、西山さん特有のダルダルさ加減と、ケ・セラ・セラの精神が全面に押し出されてる。
羊の絵も、なんだかやる気のない羊の顔が特徴的だ。
しかも、マジックだ。
黒のマジックペンで書いてある…。
送り主の名前を見れば、『西山で~す』とだけ書いてある。
あの人、本当にどこまでも突き抜けた人だ。
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