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「えーと、これは……」
年賀状を見るなり、カタカタと小刻みに震え出す。
なんで?
俺、住所教えてないのに。
どうして知ってるんでショウカ?
送り主の名前は、伏見さん…。
盗聴器とか、何か罠が仕掛けられているんじゃないかと疑ってしまう。
『今年も、楽しい一年が過ごせるといいね』
それって、なに予告ですか?
お前の息の根、今年は止めてやる、的な?
今に覚えてろ、的な?
しかも、俺……。
あの人に年賀状出してないよ……。
終わった……。
俺の一年、終わった…。
エクトプラズムのように魂を口から吐きながら、次の年賀状を捲る。
「ゆ、ゆ、ゆ…」
優弥からだぁ~~!!!!
このタイミングでの、優弥の年賀状!!
なんてナイスタイミングなんだ!!
九死に一生だ!
絶体絶命を乗り切ったようだ!
『今年も宜しくな』って、書いてある!!
勿論、宜しくしますよ!
こちらこそ、お願いしますよ!!
テンションMAXで、次のハガキを捲る。
「……………これは」
うん、佐治先輩ですね。
新年の挨拶の後に続く、小言の数々。
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