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ランクBとなった天月彰吾と宮下俊。
ランクBになったからと言って、今の生活が変わる訳もなく、学校に登校していた。
時間はお昼休み、彰吾と俊の二人は食堂に来ていた。
彰吾と俊の二人は、食券を買い、注文した品を貰って席に着く。
二人が席に着くと、周りに生徒が集まってきた。
「天月くんってランクBになったんでしょ?」
「何か生活変わったか!?」
「どーなんだよ、教えろよ」
ランクBになった事を知った生徒達は二人を囲み、彰吾に聞いてくる。
彰吾は俺だけじゃないんだけどなぁ……と思っていると。
「俺もランクBだが?」
有原が話を割って入ってくる。彰吾は有原にサンキューとアイコンタクトを取る。
有原が間に入ると、二人に群がっていた生徒が数歩後ろに下がった。
「そ、そうだったな……、お前も何か変わったか?」
「いや、別に変わらん。変わるのはランクA+からだからな」
有原が答えると、それを聞いた生徒達は黙り、その場を去る者も出てきた。
なぜ、有原が答えると他の生徒が離れて行くのか、理由は有原がこの学校に入って一年生のときの話。
上級生に絡まれた下級生を助けた事から始まった。
その上級生は能力者で、不良生徒でもあったため先生も手に負えていた。
その日、有原は授業が終わり掃除をしてた。
ゴミを出しに行った男子生徒の帰りが遅く、有原が他の班の生徒の代わりに様子を見に行くと、上級生に絡まれ、殴られた後と財布を男子生徒が取り出していた。
それを見た有原は三人の能力持ちの上級生を無傷で倒した。そして、有原が上級生の胸倉を掴む。
「今度やってみろ……? てめぇら……これで済むと思うなよ……?」
と有原が言った。その場を凌いだ有原だったが、その上級生は他の知り合いを使い、有原に報復しようと他校から名のある不良生徒と能力者を集め、有原に挑んだ。
その数、67人。その中で能力者が24人もいた。
結果は有原が全て一人で倒した。それを気に有原は生徒の中、他の学校中で有名になり、それ以来他の生徒から恐れられるようになったのだ。
もちろん、報復をしようとした上級生徒は有原に前回言ったとおり、ただではすまなかった。
そして、今に至る。
「じゃ、じゃあ、俺達はこれで……」
「ま、またな、天月、宮下……」
「放課後に、どこかであえると、いいね……」
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