第一章

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 父方のおばあちゃん家は、私のもうひとつの家だった。  おばあちゃんの畑で採れた野菜は、みずみずしくて甘かった。  私は黄色く火照った茹でトウモロコシを頬張っては、甘い汁に濡れたすいかにかじりついたものだ。  昔はそれが「あたりまえ」だった。  今は焼肉や寿司を家で作って食べるのが定番だ  それが少し悲しくもある。  メニューは両親の離婚と共に移り変わっていった。  そう簡単に会えなくなってしまったのだ。
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