第1章

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「はー……」 部屋のベッドに寝転がり目を閉じる。 なんだか今になってどっと疲れがやってきた気がする。どんどん瞼が重くなり、意識が朦朧と……。 ……ピリリリリリリリ!! ピリリリリリリリ!! 眠りに落ちるはずが突然の電話に起こされる。いったい誰から? とケータイを見るが、番号は知っているものではなかった。 しかし無視するのもなんだか嫌なので出る。 「はい、もしもし」 「あ、なずなちゃん? 僕、森村。今、いいかな」 「!! もちろんです! 何ですか?」 「あのね、晩御飯まだだったら一緒にどうかなって。作りすぎちゃって……」 「いいんですか!? ぜひ!」 「よかった。それじゃあ迎えに行くね」 「はい!」 ……どうしよう、嬉しい! 憧れのお兄さんから食事のお誘いだなんて……! そうだ、もっとかわいい服に着替えないと! あの服どこに仕舞っ…… ピンポーン。 ……随分早いな。仕方ない、このままで行こう。 「はーい。……?」 ドアを開けると小学生くらいの女の子が立っていた。 「シュウ兄ちゃんに言われてきました!」 満面の笑みを浮かべる女の子。 「えっと……」どうしていいか分からず戸惑う。 「という訳で行きましょ! こっちです!」 「え、あっ、うん」 手をひかれる。森村さん一家は手を引くのが好きなのかな、と思った。
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