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「はー……」
部屋のベッドに寝転がり目を閉じる。
なんだか今になってどっと疲れがやってきた気がする。どんどん瞼が重くなり、意識が朦朧と……。
……ピリリリリリリリ!! ピリリリリリリリ!!
眠りに落ちるはずが突然の電話に起こされる。いったい誰から? とケータイを見るが、番号は知っているものではなかった。
しかし無視するのもなんだか嫌なので出る。
「はい、もしもし」
「あ、なずなちゃん? 僕、森村。今、いいかな」
「!! もちろんです! 何ですか?」
「あのね、晩御飯まだだったら一緒にどうかなって。作りすぎちゃって……」
「いいんですか!? ぜひ!」
「よかった。それじゃあ迎えに行くね」
「はい!」
……どうしよう、嬉しい!
憧れのお兄さんから食事のお誘いだなんて……! そうだ、もっとかわいい服に着替えないと! あの服どこに仕舞っ……
ピンポーン。
……随分早いな。仕方ない、このままで行こう。
「はーい。……?」
ドアを開けると小学生くらいの女の子が立っていた。
「シュウ兄ちゃんに言われてきました!」
満面の笑みを浮かべる女の子。
「えっと……」どうしていいか分からず戸惑う。
「という訳で行きましょ! こっちです!」
「え、あっ、うん」
手をひかれる。森村さん一家は手を引くのが好きなのかな、と思った。
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