第1章

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とりあえずこの状況をどうにかしたい。しかし火に油を注ぐような発言をしたら火(2人の愛)はさらなる盛り上がりを見せる事だろう……。 「あ、あ~そうだ! 私の部屋って何号室なんでしたっけ~森村さんっ!!」 助けて!! と言わんばかりの視線を送る。 「え? えーと確か204号だよ。そうですよね、正人さん」 「おう。部屋行くか?」 「はい、お願いします!」 よし。森村さんありがとう。 「あーっと鍵……アレ……鍵……何処やった……?」 「えっ」 「由香里……鍵……」 「もう……正人さんっ! ちゃんと管理しなきゃダメでしょ!」 「面目無い……ちょっと探してくる」 「早く見つけてきてね?」 大家さんを見送った由香里さんはこちらに向き直り、穏やかに、しかしどこか重みを感じさせる声音で告げる。 「さて、ここから大切な話があるから聞いてほしいの」 「彼女にもあの事を話すんですか? 由香里さん」 やや驚いた様子で森村さんが身を乗り出す。そんなに大切な事なのだろうか。 「ええ。ここに入居するのだから、もう彼女も無関係では無くなるわ」 というわけで、と由香里さんはにっこり微笑む。 「あなたは今日から正義の味方よ」
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