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小説とは?
小説とは、5・7・5などの韻律や句法に囚われない散文で描かれた虚構の物語であり、文学の形態の一つである。
上記が小説の定義として存在する。
しかし、散文という語感は実に小説的ではない。
小説的な文章とは、単語に接続語を加えて文節とし、文節と文節を組み合わせて一文を成し、一文と一文が連なって文章を形成し、組みあがった文章に込められた文脈が他方の文脈と和を成して形作られる、それ自体が意味を持つ一つの形成物である。
要するに、文が散らばっただけのものを小説とは言えず、(物語を輝かせるという)目的を持たせて計画的に組み上げられたものを小説的文章と言え、それは散文という言葉で表現されるべきではない。
また、虚構という語感も適切ではない。
確かに、存在しないものを形作って描かれるがゆえに虚構であるのは当然だが、ないものをあるものの如く象形することこそが物語の在るべき姿であり、小説的である。
要するに、虚構の物語にリアリティという背景を加えて現実的に描くことこそが小説的物語と言え、それは虚構という言葉で表現されるべきではない。
この二つの意味合いを理解しているかいないかで、その小説は面白味という度合を大きく変化させるだろう。
本書は、この「小説的」を追及することで
「どうすれば面白い小説になるのか?」
を形にしていきたいと思います。
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