1、文章作法 【描写とは?】

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1、文章作法 【描写とは?】

小説に関わっていると、良く耳にする言葉があります。 それが「描写」。 描写とは何でしょう? 辞書で調べれば、「物の形や状態、心に感じたことなどを、言葉や絵画、音楽などによって写しあらわすこと」といった説明が出てくるかと思います。 小説は文章で紡ぐ物語。 物の形や状態、心に感じたことは全て文章で言い表さなければなりません。 これがまた難しいのです。 感じたままに情景や心理を書けば描写になるかと言えば、そうではないのです。 わかりやすく言うと、本作で執筆している文章は描写ではありません。 情景も心理も描写していませんから。 文章を着飾らせることなく、伝えたいことに専念したこういった文章は『説明文』に値します。 もちろん、小説内においても説明が必要な場面は多く出てきますので、説明文の書き方も重要度は高めです。 しかし、日常生活において何かを人に説明するという機会は頻繁にありますので、説明がまったく出来ないという人はあまりいません。 それでもコツが知りたいというのであれば、「説明したい事柄を分解して、順序立てること」と簡単ながらアドバイスします。 需要があれば、こちらも深く取り上げますが今は描写について。 例えば、小説内のワンシーンで桜並木を歩く情景を描く必要があるとします。 情景を「説明」するのであれば、桜の木が連なった遊歩道を歩いていることが伝わりさえすれば問題ありません。 ですが、小説ですので『その情景ですら鮮やかに描いて読者を引き込む要素の一つ』としなければなりません。 そうする為には、ただ説明するだけでは事足りません。 そこで描写。
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