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「お~い、了~」
俺を後ろから呼ぶ声が聞こえたから俺は後ろを振り向いた。
俺を呼んだそいつは、長い髪を後ろでひとつに束ねて、肩からボストンバックをさげ、俺に走り寄ってきた。
「お前は朝から元気でいいね~。俺なんかせっかくの夏休みを合宿に使われると思うとやる気なくすよ」
俺を呼び止めたそいつは七瀬 愛美。
人一倍元気なところが取り柄な奴だ。
「なんか了、その言い方おじさんみたいだよ」
「へっ、人はいつかおじさんになるものさ」
「冷めた言い草だな~」
ちなみに、俺と愛美が出会ったのは高校生になってからだ。
学校の正門に着いて、しばらく愛美と雑談をしていると、宿舎行きのバスが来たので、俺と愛美を含む生徒三十人はバスに乗り込んだ。
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