ある冬の日

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そんなことを考えながら歩みを進め、生物室が見えてくると、少し緊張してしまう。 うーん、生物の先生、ちょっと怖いんだよね……。威圧感があるというか……。 先生のあの鋭い目つきを思い出す。 その先生は北川涼一といって、白衣を着た長身の男性だ。年齢は30手前くらいに見える。 いつも黙々と授業を進めており、生徒が聞いていようがいまいが、寝ていようが起きていようが関係ないようだった。 寝ている生徒をいちいち起こす熱意ある先生もいるが、北川先生はお世辞にも熱意ある教師とは言いがたい。……むしろ、冷たい。
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