ある冬の日

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そんな人柄からか、北川先生はあまり好かれていない。 それゆえ、係決めで生物係が最後に残ってしまい、じゃんけんに負けた私は生物係になってしまったのだった。 心配していたが、案外何も仕事がなく、この2学期の終わり頃まで呼び出されたりは一度もなかった。 けれど突然、次の授業は生物室でやるので準備を手伝えと連絡が入ったのだ。 これまでずっと座学だったのになぁ。 生物室の扉の前に立ち、中を覗き込む。 小さいガラス窓しかついていないためよく見えず、覚悟を決めて入ることにした。
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