ある冬の日

6/22
前へ
/129ページ
次へ
うぅ、緊張する……一人はちょっと心細い。由梨も連れてこれば良かったかな。 本当は生物係は2人なのだが、もう一人の男子は5月頃からほとんど出席しておらず、今日も姿はない。 意を決してドアを開ける。 「失礼します」 返事はない。そっと中へ入りきょろきょろと辺りを見回すが、誰もいない。先生はまだ来ていないようだ。 教室の棚には図鑑、標本が所狭しと並び、部屋の両サイドには魚の入った水槽や、トカゲ、ヘビ、ネズミなどが入ったゲージが置かれている。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加