プロローグ

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ちゅんちゅんと、鳥の喧しくもどこか清々しい泣き声と 「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「や、やめろぉぉぉぉぉっ!?」 という、なにやら普通に喧しい男共の声 どうやら、朝がきたらしい、その証拠に瞼を刺激する眩しい日差しと、寝る前につけた火が消えている、たぶん朝の早い、俺の師匠が消したのだろう 「うーん…爽やかな朝だ…」 寝転んでいた身を起こし、ぐぐっと伸びをする俺 「む?おお、起きたかアグノス、おはよう」 体を伸ばす心地よい感覚を俺が堪能していると、俺が目を覚ましたことに気付いた師匠が、血まみれの男二人の足を両手に一人ずつ握りしめつつ振り返ると、朝の挨拶をした 因みに、アグノスとは言わずとも分かるとおり俺の名前で、アグノス・アクレオという まぁ、それはともかくとして…気になることを聞いておこう 「師匠、何で俺が起きる前に火を消しちゃったんですか?まだ暖かい季節とはいえ、流石に朝はこたえるんですよ?」 野宿しているという状況で、贅沢はいえないと分かってはいるけれど、火をつけている位は許されるはず、何せ、魔法でつけているのだから魔力さえあればあとは何も要らないのだから 「おお、すまぬのぉ、しかしワシとて消したくて消したわけじゃないんじゃぞ?ワシもつい先ほど起きたんじゃが、そうしたらこの阿呆2人がワシ等の荷を漁っておったのじゃ、それを懲らしめてやろうとしていたら…」 「その勢いで火が消えてしまった・・・と?」 「そのとおりじゃ」 なるほど…そういえば、師匠は男を二人振り回したり地面に叩きつけたりしてたけど、そういう事情だった訳か、納得 「それなら仕方ない…ですね」 「そうじゃろう?」 「はい」 それにしても…よもやこんな山奥…それもかなり深いところまでくる一般人が居たなんてな、しかもこの辺りは魔物だってそこそこの実力者でないとキツイようなヤツばかりなのに とはいえ、襲撃者や野盗の類が全くのゼロ、という訳ではないし、この二人だって、師匠を相手にしては赤子同然だとしても、本来ならそこそこの腕をもっているのだろう… そんなことを俺が考えていると、師匠が二人の男を握ったまま、両の手を振り… 「って…師匠、盗人とはいえ、そんなに強く投げたら死んじゃいます」 「アグノス、投げた後に言っても遅いのじゃ」 「あーあ…」
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