【ちび捕獲】いんでぃーなんとか

3/6
前へ
/30ページ
次へ
「ん?」 「どうしたの、レウス」 「変なものでも見たのか?」 まだ食べてない、首を振るレウスの指さした先。 どうしたことかと振り返る2人。 彼らが見たのは先ほどから探し回っていた小さな魔王だった。 軽く石化してしまった3人を見上げた彼女は不思議そうに首を傾げた。 黒い甲殻に覆われた両腕で、自分の頭程もありそうなリンゴを抱えていた。 「あ、それ……」 先ほど転がっていってしまった食糧である。 自分を映す彼らの眼と、リンゴを見たべるふぇごーるは、抱えていたリンゴを彼らへと差し出した。 「……ろう?」 “あなたたちの?”とでも言っているのだろう。 思わず視線を交わした彼らだが、不意に鼓膜を揺らしたのはごく小さな腹の虫。 ――流れた沈黙。 浅くため息をついたカルだが、じっとリンゴを抱えているべるふぇごーるに視線を落とす。 「いいよ、君が食べなよ」 じっと彼らとリンゴを見比べ、べるふぇごーるは頷いた。 もぐ、しゃくしゃくしゃく。 †
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加