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きらきらした視線から少しだけ視線を反らしたカルは、ふと花畑で一緒に居た2匹を思い出す。
「えっと。君の仲間は?たしかあと2匹いたよね」
「うさ。……うさー、うさうさ」
「“キミを追いかけるって言ってきたから、大丈夫”だって」
本当に大丈夫なのだろうか。
怪訝そうに眉を寄せたカルを見ながら、ざどきえるは首を傾げた。
小さく笑ったロゼに2対の瞳が向けられた。
「とりあえず、彼をぷちワールドに帰還させますか?そのうち2匹も帰ると思いますよ」
「君は、……それでいいの?」
少しだけ迷う様子を見せたざどきえる。
だが、やがて1つ頷いた。
傍の2人のを交互に見やり、最後にぎゅうっとカルの指を掴まえて床へと跳び下りる。
こっちですよ、歩いていくロゼを追いかけつつ、ざどきえるは振り返った。
「うさうさ」
「ん、ばいばい」
小さなぶんぶん手を振る彼へ、ほんの少しだけ手を振りかえした。
笑顔になるざどきえるにつられそうになりながら、振らない方の手でカルは口元を隠した。
END
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