「嘘」

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この選択が正しかったかどうかは誰にも分からない。 「…あら、そうだったわ。私、何で泣いてたのかしら。変な電話しちゃってごめんね」 少年は何も言わぬまま、通話終了のボタンを押した。 一枚の写真を握りしめながら、少年は声が枯れるまで泣き叫んだ。 それから時間は流れ、少年は高校生になっていた。 「蒼太、おはよう!明日から春休みだしさ、放課後どっか行かない?」 いつしか、嘘と話術で他人を利用することをやめていた。 「あー悪い。今日の放課後はちょっと用事あるから。また今度!」 そしてあの日以来、他人に興味を抱くこともなかった。
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