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少し歩くと、階段下に何人か集まり、その中に俺の探している奴もいた。
「ちっ、今日はこれっぽっちしかないのかよ?」
「ううっ、か、勘弁してくらはい。ぼ、ぼく、もう、kitte持ってないんれす…!」
そいつは、そいつより背の低い奴から小さな紙を奪っていた。
こりゃあ、注意しないとな。カツアゲってやつだろ?
「こら!!何してんだ!」
「うわ、やっべ!恵郎だ!」
「逃げろ!」
俺が怒鳴ると、何人かは逃げたが、そいつだけは俺を睨んで佇んでいた。
「はぁ、またお前かよ?」
奴は鋭い眼光を向けたまま、そうぼやく。
「よぅ、108番。元気にしてたか?」
「お前が注意したせいで、俺の仲間とカモが逃げた。」
「カモって…27番か。お前なぁ、弱い者苛めはやめろよな!」
そいつの名前は108番と言った。
この施設の奴等は、雇われの俺と芽次郎以外、番号が名前となっているようだった。
「今日も話し相手になってくれよ、相棒!」
「誰が相棒だよ、全く…」
そう言いつつも、108番は俺の隣に座った。
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