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108番は、ポケットから白い棒を取り出し、その棒に火を付ける。
見たことある、これは確か。
「おいおい、煙草ってやつかぁ?止めとけよ、なんかその匂い嫌いなんだ。」
「別に、ふかしてるだけだよ。まだ肺に吸い込むと咳き込むんで。」
「無理して吸うなよ、かっこつけしぃが…ったく、お前と出会って1年くらいになるが、どうして中身が成長しないのかねぇ?」
俺は、はぁぁ、と大袈裟なほどため息を吐く。
「で、108番。お前、いくつになったんだ?」
「…14。」
「っかー!とんだ非行少年だなコノヤロー!」
「うるさいな。話すことないなら、帰るけど。」
108番は立ち上がって帰ろうとする素振りを見せたので、俺は慌てて引き留める。
「まーまーまー!待てよ!俺も久々に話し相手が出来て、嬉しいんだよ!もうちょっと話そうぜー。」
108番はチラリと時計を見て、ため息と共にまた座った。
しばらく沈黙が続いたが、気になることを聞いてみる。
「それで、108番。未だに悪夢は見るのか?」
「見る。クッソホラーだった。」
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