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芽次郎が、ある日俺に教えてくれた。
『恵郎、108番について少し気になることがあるのだ、のだ。』
『ああ、俺たちと話せるなんて、すごい奴だよな!これで話し相手に退屈しないで済みそうだ。』
『拙者、外回りの時、色々な仲間に出会って、情報収集したのだが、どうやら108番は、我らの種族の間で"英雄"と呼ばれている奴の可能性が高いのだ、のだ。』
『英雄!??そりゃまた……有名な奴なのか?』
『うむ、うむ。それでは、話は長くなるが、ことづてで聞いた"英雄"の話をしよう…しよう。』
その後、俺は時間が経つのを忘れて、芽次郎が話してくれた内容に聞き入った。
108番、お前は、間違いなく"英雄"だ。
そして、お前にはちゃんと、名前がある。
そんなつまらない番号じゃない。
恐らく、お前は忘れているだけなんだ。
大切な思い出を。
それだったら、俺が思い出させてやるまでだ。それが、俺の最後の大仕事。
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