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二人はポカンとして西堀を見る。
「どういうこと?」
西堀はあくびをして眠くなってきたマメ太の頭をポンと撫でた。
「何事も知らないと、変だと感じるし、怖いとも感じる。だが、知ってしまえば、変にも思わないし、恐怖も無くなる。さっきのニシボリ語のようにな。
圭太も同じだ。変だと感じたならば、理解しようと努力しなければならない。変だと感じたらそれで終わりにすることだけは、絶対にしてはならない。」
今度は大塚と與儀の頭を優しく撫でた。
「先生からの、お願いだ。そんな大人には、ならないでくれな?頼む…」
未だかつて見たことのない深刻な表情の西堀に、大塚と與儀は顔を見合わせる。
「せ、せんせ……」
「ワッフォォォオーーーーー!!!!」
「!?」「!?」「!?」
マメ太のただならぬ切迫した声に、三人は一斉にマメ太を見る。
マメ太が何かを堪えるような真っ赤な顔で、地面をガリガリと掘っていた。
いつもよりも、掘れない、掘りにくい。
どうして、いつももっと早く掘れるのに!
もう限界だ、せりあがってきている!!もうせりあがってきている!!
爪先がボロボロになっているマメ太を見た西堀は慌てて止め、頭をフル回転させる。
(えーと、なんだこれ!?どこかで見たことあるような…!)
「わうぅーーーー!!わふーん!!」
西堀の腕の中でジタジタと暴れるマメ太。
「先生、もしかして、トイレじゃないの?」
與儀がおそるおそるそんなことを言う。
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