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俺の考えた作戦名。
名付けておとり作戦。
「…名付けて、って言うほどオリジナリティは無いな、ないな。」
ぼそ、と芽次郎は突っ込みを入れる。
「だまらっしゃい。
所長室は鍵が掛かっているし、耶麻之手所長は常にあの部屋に居る。そこで俺が考えたのは、所長が部屋から出ざるを得ない状況を作ること。」
俺の考えたおとり作戦はこうだ。
とにかく、俺は人間たちがドン引きするくらいに暴れまわって、危害を加えないように、人間たちの衣服とかを噛んで襲っている風にする。
泡とか吹くと、リアル感が増すかも。
こんな問題は前代未聞だから、所長だけのうのうと所長室に居るわけにはいかない。人間の世界じゃ、上の立場になればなるほど"信頼感"を見せるのが重要になってくるからな。
そして、所長が慌てて出た隙に…
「芽次郎、お前の出番だ。」
「まさか、お前が囮になっている間に、108番の匂いが残るものを見つけ出し、持ち出せというのか?のか?」
分かっている、この作戦はあまりにもハイリスクだ。成功率も低い。
もしかしたら、芽次郎にまで被害が及んでしまうかもしれない…。
そう考えると、無理強いは出来ないと思ったが、芽次郎は了承してくれた。
「分かった、やれるだけやってみよう、みよう。」
「…ありがとな。」
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