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その時、嫌な臭いが鼻を掠める。
この鉄の臭いは……!
「108番、離れていなさい。」
「ちっ、どいてろ!!」
「うわ!?」
俺は108番の腹に突撃して、108番を端に追いやった。
知っている、あれは人間が作り出した、恐ろしい武器だ。
あれから発射される弾に当たれば、俺も無事では済まない…、が。
囮作戦は、成功だ。
とうとう引きずり出したぜ、耶麻之手。
108番は、二階から武器を構えたまま俺たちを見下ろす耶麻之手を呆然と見つめる。
「しょ、所長、な、なんで猟銃なんか持って………いや、待って下さい、こいつは違うんです。」
「どきなさいと言ったはずだが?108番、その犬はもう駄目だ。病気で錯乱している。」
「び、病気はそうかもしれませんが、だって、さっきまで、こいつは普通に…!」
くそっ、芽次郎、まだか…!?
さっき、所長室にこっそり入っていったのは確認できたが…!
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