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108番は、俺の前に立ち塞がる。
ああっ、もう、うまくいかねぇもんだなぁ!
耶麻之手は銃口を向けたまま、冷たい視線を108番に向ける。
「…ずいぶんその犬に思い入れがあるようだな?」
「こ、こいつは、俺の友達なんです…!」
トモダチ。
人間の言葉だが、俺が好きな単語だ。
そんな108番を耶麻之手はせせら笑う。
「犬と友達ぃ?ふふっ、よほど友達が居ないんだろう。可哀想に。
その犬は病気かもしれないんだ。このままでは生徒に被害が及ぶ可能性がある。
君は犬は殺さずに人間を殺すつもりかね?」
「他に方法が…!」
「殺すべきだ。」
耶麻之手と108番の会話に、別の奴が割り込んできた。
「この犬は危険だ。所長の意見は正しい。」
そして、他の者も。
「そうよ、危険だわ。伝染病かも。」
「殺そう。」
「殺そう。」
「殺しましょう。」
「殺すべきだ。」
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