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俺は、集まった人混みの隙間から、紫のほっかむりがチラリと見え、芽次郎が居るのに気づいた。
「芽次郎!どうだ、とってこれたか!?」
耶麻之手には聞こえないように、こっそりと聞いてみる。
芽次郎は、少し焦った様子で話した。
「それがな、予想外のことが起きてしまったのだ。たのだ。」
「何だよ!?」
「108番の匂いが残る私物の場所は、所長の机の上から三番目だ。しかし、鍵が掛かっていた。ていた。」
鍵か!
くそ、嫌な予感はしていたが、やはり鍵が掛かっていたらしい。
「取っ手を噛んで思いきり引っ張ってみたのだが、びくともしない。しない。」
「くそっ、せっかくここまで来たってん…………」
パァン、
と銃声が響き渡ったかと思うと、
一気に腹の辺りが熱くなった。
「……!めっ、」
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