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恵郎!!!
と、叫んだ声がした。
芽次郎と108番、両方の声だ。
あーくそ、モタモタしてるから、あいつが先制攻撃しちまったじゃねぇか。
そんなことより、そういえばどうして俺、108番の為にこんなに一生懸命になったのかなぁ?
おまんま食えて、適当に歩いてりゃ、充分だったのになぁ。
うーん、なんでかなぁ。
「~~~~郎っ!、~~~!!ゃく、~~~止血を~~!~!~~~~~、!!」
頭上でぼんやりと、叫び声が聞こえる。
やばい、このままじゃまさに"犬死に"だ。ぷっ、ワロエナイ。
少し心地が良くなってきて、このまま昼寝しようかなとも思ったのだが。
顔面に、とんでもなく冷たくて、とんでもなく痛い雨が降ってきた。
その雨が、俺を眠らせなかった。
あ、今わかった。
俺は、単純に、108番のことが好きなんだ。
だから一生懸命になれる。
理由なんて、それだけで充分だろう?
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