46人が本棚に入れています
本棚に追加
「恵郎!恵郎!しっかりせんか!」
「う"あ"あ"あ"ぁああ!!恵郎、恵郎!!は、早く、止血しないと、!!」
途端に、声が鮮明に聞こえるようになる。
なにベソかいてんだよ、男の癖に情けない。
芽次郎を見てみろよ、お前みたいにわんわん泣き散らしてないだろ?
俺は、四肢にぐっと力を入れる。
ほら、大丈夫だ。まだ動ける。
「ほぉ、まだ動けるのか。」
あいつは、ひとつ大きなミスを侵している。
それは、
「もう一発撃って、
ら
く
に
し
て
や
ろ、
………う?」
自分の方が優れていると信じて疑わない点。それがお前の最大の弱点だ、耶麻之手。
俺は脚力で二階まで飛び、耶麻之手の眼前まで一気に迫る。
そのまま、奴の右目を爪で思いきり引っ掻いてやった。
最初のコメントを投稿しよう!