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「………………」
「………………」
「なぁーんてことがあったんだよ!俺、めちゃくちゃ頑張った!な!」
「わん!」
大塚と與儀からは冷たい空気が流れていたのだが、西堀はマメ太にトイレの方法を教えたという充実感に満たされていた。
マメ太も満足して犬座りしていたが、ふいに大塚から強引に腕を引っ張られる。
「わう!?」
「ふん、お前はちゃんと立つことも歩くことも出来ないようだから、俺が教えてやる!俺が兄貴な!!」
「じゃあ、私がお姉さんね。」
マメ太は手を地面につかず、足だけ交互に動かしていく様を見つめる。
「ほら、こうやって歩くんだ。」
「わ、わうー…」
「手は上じゃない!下げるんだ!」
マメ太は二足歩行になんとか歩くことは出来るものの、がに股になり、両手はいつも胸の辺りに拳を作っていた。
そうしないとバランスが取れない気がしたのだ。
手を下げると案の定、不安定な気がして転んでしまった。
「ふぎゃん」
「あらら、大丈夫ー?」
西堀が手を差し伸べようとしたのだが。
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