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「先生は手出し無用!」
「むようー!」
二人にぴしゃりと言われてしまう。
…と同時に、小動物のような潤んだ瞳のマメ太と目が合う。
「きゅーん…」
「ぐぅ、先生心が苦しい!!」
しかし、ここは責任感の強い大塚に任せるべきだと決心した。
西堀は小さい時から大塚を知っている。西堀が親代わりだから、大塚の心身共の成長は見ていて微笑ましかった。
「そぉーら!休んでいる暇は無いぞ!動け!働け!汗水流せ!血も流せ!」
「きゅわーーん!!!」
……………ちとスパルタな気はするが。
そうしていつの間にか日が暮れ、午後になっていた。
昼頃にマメ太は来たので、もうかれこれ4時間は外にいることになる。
「おーい、もう部屋に戻ろうよー。」
西堀はそう呼び掛けたが、大塚、與儀、マメ太の三人はいつの間にか庭の広場の真ん中に集まっていた。
「ちょっと待って、あとこれだけ!」
與儀は西堀を手招きする。
見ると、大塚とマメ太が真剣に見つめ合っていた。
「よし、言えるな?俺は、おーおーつーかー」
「おーおーうーあー」
「次、ひーなーとー」
「いーあーとー」
(おお、名前覚えさせてるのか!)
齢7歳にして、そこまでやる大塚に感心する。
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