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バキバキ、と身体中の骨が折れる音がした。
死ぬ前は、こんなにも何も感じないのだ、と死を直前にしてそんなことを思う。
痛くて苦しいかな、とか、怖くないのかな、とか色々考えるかと思ったのだが、これからこの身体は死んでいくんだと考えると、不思議と穏やかな気分だった。
落下している最中なのに、時間が酷く遅く流れ、同じく目の前で落下を続ける、最初で最後の“友達”を見つめる。
“友達”も、恐らく死ぬだろう。身体の状態は、自分よりも酷い。
ああ、でも、神様、どうか神様。
生涯で最初で最後の“友達”だけは、救って欲しい。
その為ならば、この身を差し出しても有り余る。
もしも、もしもこの後、友が死んで自分が生きていたなら。
この身を、必ず友に捧げ、必ず、救ってみせる。
……ただ、自分のしてきた"行い"は、きっと友を傷つける…それだけが、心残りだ。
自分の体が地面に着く前に、友の体がぐしゃりと地面に打ち付けられた。
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