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パタパタと、何かが近づいてくる音がする。
その音を聴いてマメ太はピタリと叫ぶのを止めた。
その何者かの中に、マメ太の大嫌いな匂いが混じっていたからだ。
扉がガラリと開く。
最初に入ってきたのは、白衣を着た病院の先生。次に入ってきたのは…
「おや、圭太くん…?け、圭太くんが目を覚ましましたよご両親!!!」
「あー…何だ、生きてたか。」
「あらホント。なら、来なくても良かったわね。」
マメ太の心の中から、ふつふつと怒りが込み上がる。
ギリリと奥歯が割れんばかりに喰い縛った。
こいつらは、敵…
ご主人様を…ケイタを、いつもいじめていた!!
嫌い、嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
噛む!!!!!
「がぁぁっ!!!」
「うわっ!?」
「きゃあっ!?」
「け、圭太くんっ!?」
許さない、俺、知ってる。いつもご主人様はこいつらにいじめられてた!!
「ぐぁるるるるる…!!」
マメ太は、いつも窓越しからご主人様である圭太を見ていた。
時には殴られ、時には御飯抜き、時にはベランダに出して放置…
マメ太は犬で、確かに人間よりかは賢くない。何をしているのか分からないことが大半だっただろう。しかし、その分人間の悪意をダイレクトに感じ、やっている行為も悪いことだと感じていた。
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