Special Day-二十歳-

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「どこ行く?」 「紘斗、気分悪い」 気が緩んだとたん、姫良は泣きそうな顔で訴えた。 「どうした?」 「着物のせい。食べすぎたみたい」 紘斗の心配そうだった顔がおもしろがった表情で歪んだ。 「行き先はおまえのマンションに決まりだ」 電話でタクシーを呼んだあと、紘斗は姫良に腕をまわした。 「紘斗っ?」 「気分悪いんだろ。座るとこはないし、タクシーが来るまで支えてる」 人目を気にして、加えてその行為に慌てながらも、姫良はやっぱり甘えたい気持ちが強くて、紘斗に躰を預けた。 「……あったかい」 姫良が互いにとって口実となった言葉をつぶやくと、紘斗の躰が笑みに小さく揺れた。 -The end.- Will be continued in the next time.
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