第1章

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週に1、2度程しか作れないゆっくりとした家族団欒の時間。 貴重な時間だと思ってる。 なんでよ… 私自身が一番よく解ってる。 気持ちが入っていかない。落ち着きは朝よりはいいが、心から楽しいと思わない? 上の空?笑ってるのに、話だってしてるのに本当の心はどこかに行ってしまっている。 大抵のことは寝て起きたらスッキリ忘れてるのに。 嫌な事じゃ…ないからか。 嬉しい事?わからない。 大事にしたい。この時間。 私たちは孤児院を出てからずっと一緒だ、今までもこれからも。 そういえば妹がこの前不安そうな顔してたな。何かあったのだろうか。 聞かなきゃと思うのに向き合って行かないといけないのにそれができない。 兄弟だからこそ、家族だからこそ様子がおかしい事に気づくのも時間の問題だ。 それまでは心配かけないように隠そう。 私さえしっかりしていればバレないのだから。 少しずつ、少しずつ私に変化が訪れる。
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