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「でももし相手が男なら、若に釣り合う人って女より探しやすそうじゃないッスか?」
「羽柴…本気で言ってる?」
「怖い怖い!佐竹落ち着いて!!」
これでもかと言うほど睨んでくる佐竹に、羽柴は事実でしょ!?と返している。
まあ龍臣の力だけを取るなら、女性より男性の方が釣り合うだろう。力だけなら。
「それでも組織の幹部クラス以上だろう」
「ってことは…敵対してる組織の奴とか?」
意外と冷静を保ったままの粟島の言葉に、羽柴は聞いた。
まあそういうことになる、と粟島は頷く。
案外、粟島は佐竹ほど同性愛に対して反対意識がないのかもしれない。
「でも好きになるくらいなんだから、何度か会ったこともあるって考えるのが妥当ッスよね。そうなると敵組織の幹部じゃないと思うんすよ」
「じゃあ誰なんだ?」
「思い切って若頭同士とか!」
「思い切ったな」
さっきから萩原はツッコミに徹している。
また佐竹が怒るかもと思ったが、もう好きに言わせておくことにしたようだ。
はあ、と溜息をついて呆れた顔で腕を組んでいた。
「そうなると候補は3人に絞られるな」
面白そうに言う萩原は完全にこの状況を楽しんでいる。
粟島は萩原の言葉にわかりやすく眉間にしわを寄せた。
「俺はどの若頭も気に入りませんね」
一人既に頭になってるやつもいるが。
「なんでだ?」
「まず、玄武は却下です。言わなくてもわかりますよね」
その言葉には全員が頷いた。
何歩譲っても玄武だけはない。
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