第1章

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高鳴った胸がまだ鎮まらない。生まれてはじめてのことだ。 つい30分ほど前のこと。 会社の新年会を終えて帰路につこうとしたとき、突然呼び止められた。 「前島さん」 2つ先輩の太田さんだった。 「駅までいっしょに行こうよ」 「はい、いいですよ」 「近道知ってるからさ、付いてきてよ」 そして二人して他の同僚たちと違うルートを行く。 太田さんは趣味の釣りについて、あれこれと語りはじめる。 それほどおしゃべりの得意じゃない私は聞き手に徹した。
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