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途中でハッとする。
「あれ太田さん、何か駅から遠くなってません」
突然、太田さんが足を止める。
つられて私も1、2歩先で止まる。
そして太田さんの方を振り返ろうとしたときだった。
いきなり背中から抱きしめられる。
「えっ、ちょっと太田さん」
ロープで縛りあげられたように、太田さんの両腕のなかで顔を後ろに向けることしかできない。
「乱暴なマネしてごめんよ。しばらくこうさせてくれないかな」
うなじに太田さんの息が熱い。
「前島さん愛してるよ」
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