第1章

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何とか拾えたタクシーの車内でも、心のなかはまだ抱きしめられたままだった。 不思議なもので少しずつ時間が経つたびに私を縛った両腕のあたたかさが胸にしみこんでくる。 自分では理性的な女だと思っていたけど、それは私のほんの一部に過ぎなかったのかもしれない。 今年24歳の固い女もそろそろ卒業するときが来たのかな。 太田さんの両腕の強さが私の頑なな心を柔らかくしてくれたようだ。そんな気がする。
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