仲人奮闘編 第1章

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式の日取りを決めたことで 「結婚すれば3億円を英王室からもらえる」というプリンス・ジョナ・クヒオの言葉を信じたA子さん。 自分の持ち金合計1500万円をそっくり渡したうえに、知人から借りた3000万円も渡してしまった。  もちろん、金の切れ目が縁の切れ目というのがこの手の話の定番。 案の定、途端にぷっつりと連絡が途絶えてしまった。 挙式予定の2ヵ月前、途方に暮れ、思いあまったA子さん。 アメリカ大使館に問い合わせ、そんな人物はいないとの返事に、初めてだまされたことを知る。 1984年6月15日、プリンス・ジョナ・クヒオは渋谷の路上で逮捕された。 A子さんから4500万円を騙し取った容疑である。 A子さんが告発してから逮捕に至るまでの間にも、彼は六本木あたりのスナックに出入りし、同じ手口で女性を引っ掛けようと、大ボラを吹きまくっていたらしい。
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