23人が本棚に入れています
本棚に追加
わたしの体調不良はそれから4日ほど続いた。
吐血は収まったが、関節の痛みが酷く、点滴に鎮痛剤を入れて貰ってもあまり効果が無かった。
でも、何故だろうか・・・彼が病室にいてくれる間は、私の心は不思議なことに落ち着きを取り戻し、安らぎに似たものを感じていた・・・。
恋愛感情なのだろうか?私はその都度自問自答したがそうではないようだった・・・。
彼の私を愛しんでくれる姿・・・言葉に・・・ただ安心感を感じている・・・そう言う事だと気づくのにそんなに時間はかからなかった。
人間は狡い、相手の感情を・・・多分、私を好きである筈の・・・かれの感情を逆手にとって、私は彼の心を掴んだ・・・。
そして、人に心配されるという、久しく忘れていた心が暖かくなる様な感覚と・・・彼を利用してまた、好きなことをしたい・・・という冷徹な気持ちが鬩ぎ合っていた。
私の気持ちは実際のところ、彼への愛は無かった・・・でも、彼を失いたくはなかった・・・。
そう、愛される事という優越感にも似た喜びが私をとらえて離さなかったのだ。
私は・・・今の状態・・・安心できる状態を、そして・・・自分のしたい事が出来る環境を手放したくなかった・・・例え、人の道に違えた感情で彼に接しようとも・・・。
私は、悪い女だろう・・・でも、弱い女でもあるのだ・・・。
最初のコメントを投稿しよう!