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それから数日して、私は何とか動き回れるくらいに回復した。
それでも一度悪くなった身体は無理が効かなくなったのだろうか、すぐに疲れて、疲れれば熱を出した。
もう駄目なのかな・・・そう感じている私に彼は言った。
「安心して下さい、新薬の効果が出ていますよ・・・体の不調は体力が無いからです。
点滴に加えてドイツで開発された薬・・・日本ではまだ未公認ですが試してみましょう。」
私は彼の言葉に頷いた・・・。
新薬が効いているのか、新しく追加した薬が効いたのか・・・私の身体は大分良くなったように感じた。
疲れもあまり感じなくなりそれに伴い、体力も少しづつ戻ってきたような気がした。
「大分良くなりましたね、よかった・・・。」
彼は診察を終えるとあの優し笑顔で言った。
「有難う、御座います。」
私も少し顔を綻ばせながらそう答えた。
私の言葉に、彼はそっと私の肩に手を掛けると言った。
「明日、例の会合があります行ってみますか・・・?」
「ええ。」
何故か私は躊躇なく答えていた。
私は・・・またあそこでお金を稼いで、夜の華やかな街に羽ばたける喜びを感じていた。
私の心は夜の煌びやかな灯りの中にあった・・・。
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