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次の会合では、私はいつもより高い金額を得た・・・25個のデリット・・・つまりは250万だった。
その日、いつもと違ったのは売る場所が腕ではなく・・・足だったことだ・・・私は躊躇せずに右足を売っていた・・・。
新薬が効いて来たのか、私は大分よ唸ったように思う・・・。
不治の病と言われていたがあれは嘘だったのだとさえ今は思える・・・。
そう、お金さえあれば、あの時の私でも新薬に近い物を手に入れる事が出来たのだと思った・・・。
今の私は、彼のお陰で最先端の治療を受けられるのだが・・・あの会合で身体を売れば彼の力など無くとも、治療できるような気がした・・・。
そう、私の身体はいつだって一番の高値を付けたのだから・・・。
ただ・・・フェテシズムに耽溺した愚かな男たちに少しの間・・・私の体の一部を自由にさせる・・・たった、これだけの事で私は自立でき、今までの人生の不幸を覆して成功者として幸せを両手一杯に掴めると信じていた・・・。
私は、会合の翌日・・・早速夜の街へ繰り出した・・・。
道を歩くだけで男たちは振り返って私を見詰めた・・・まるで手の届かないショウ・ウインドウの中の宝石の様に・・・。
それから私はクラブに入って・・・お酒を飲み、話しかけてくる男たちを相手に・・・付かず離れずのゲームを楽しんだ・・・。
男たちが私を取り合う真剣な素振りを見るのは楽しかった・・・そして、夜が明ける前に私は、私に夢中な男達のことなど意に介せずその場を去った・・・。
なんて素敵な夜・・・私は・・・彼から貰った煙草に火を点け、白タクの中で紫煙を吐いてそう思っていた・・・。
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