23人が本棚に入れています
本棚に追加
私は諦めてこの際だからと・・・ゆっくりすることにした。
朝から晩まで、ドラマやDVDを観て・・・週に一回は彼の気配りでエステシャンの先生が来てくれた。
『大分肌の艶や張りが戻ってきましたよ。』先生はそう言うのだが、病気になっていて、あの会合に行ってから通い始めていたので、自分自身・・・本当のところはどうか分からなかった。
熱は37℃前後を行ったり来たり・・・これが普通なのかは分からなかったが、食欲がほとんどなく・・・朝、昼、晩の食事も半分以上残してしまった・・・。
かと言って、別に感触をしているわけでもなく、外へ行った時の様にアルコールを飲んでいる分けでもなかった・・・。
ただ、彼から貰った煙草は吸っていた。
今まで止めていたけれども、10代の終わりから数年吸っていた時期もあったので抵抗はなかった・・・。
ただ、この煙草は私に元気を与えてくれたような気がした・・・。
院内は禁煙なので吸う時は外へ行かなくてはならなかったけれども・・・多少、依存するだろうかという危惧はあったが、不思議なことに昔煙草を吸っていた時と違ってそれは無かった。
理由は分からなかったけれども、私は一日の終わりに・・・その煙草を1本時間をかけて吸うのが好きだった。
病室内で大人しくしている生活が一月もした頃・・・彼はようやく私に夜の時間を返してくれた。
そして・・・あの会合への参加も。
病気の方も少しずつは快方に向かっているらしい・・・これは彼の言葉を信じるしかないのだが・・・ともあれ、私は自分の自由を取り戻すことが出来た。
そう、私は信じていたのだ・・・。
最初のコメントを投稿しよう!