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彼の別荘へ行くまでの間、私は心に過ぎった不安さを追い払いかの様に遊んだ・・・。
一晩で数十万使う事はざらだった・・・。
しかし・・・お気に入りのホストを常に手元に置いて置くためには桁がもう一つ違うようで・・・私は歯痒かった・・・。
あの会に行けるのなら幾らでもお金を手にすることが出来るのに・・・。
私は笑顔でお気に入りのホストが指名されて席を立つのを見送った・・・。
夜遊びは毎日続き・・・呑み過ぎてふらふらになる私を・・・看護師たちは今まで以上に蔑んだ目で見た。
私もその視線を一瞥して・・・部屋でシャワーを浴び・・・カーテンをしっかりと閉めて診察以外は眠っていた。
彼は、そんな私を咎めるどころか、更に栄養剤の注射をしてくれた。
これで私は夜通し遊ぶことが出来た・・・。
そして・・・彼の別荘に行く日になった。
彼は車のトランクと後部座席に大きな鞄を何個も置いた。
私が聞くと・・・彼は笑って『後でのお楽しみですよ・・・。』と、そう言って言葉を濁した。
冬の秩父は寒々しかった・・・。
彼の別荘が偶々そういう雰囲気を助長する様な場所に建っていたからなのか・・・私自身がそう考えていたのか私には分からなかった。
別荘に着くと、例の執事が出迎えてくれた・・・。
私は早速、邸内に引かれた温泉に案内された。
温泉は素敵で、夜遊びが過ぎる私の肌や心を癒してくれた・・・。
窓から見える夕日は絶景で、私はここに来るまで心の奥底で感じていた不安をすっかりと忘れ去っていた。
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