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部屋の中は非常用の小さなオレンジ色のライトが1~2か所光っていたが、それ以外は暗く不案内だった。
私は何度も何度も身体に力を込めて体を揺さぶった・・・。
しかし・・・身体は金縛りにでもあったかの様に動かなかった。
私は思った・・・もしかしたら彼は・・・聞こえるように、見えるように・・・麻酔を打ったのではないか・・・と・・・。
そうなると、ただの失敗ではなく意図してしたことであり・・・私の努力は徒労に終わってしまう・・・。
私は一度、動く努力を諦めて大きく息を吸った。
動いていなのに体が疲れたような気がした・・・。
体全体が痺れているような感じだった・・・。
私は諦めて体力を温存することにした。
きっと、機会はある・・・その時の為に・・・。
私はそう自分に言い聞かせると目を閉じた・・・。
私が気が付いたのはどの位経ってからだったからだろうか・・・時計もなく(有ってもこの暗さでは・・・。)私は眼を開けると、眼を動かした・・・。
そして、部屋の様子に変わりがないことを確認すると、自分の体に注意を払った・・・。
上半身の痺れが・・・大分取れているような気がした。
私はゆっくりと、右腕に力を入れた・・・右腕は、ゆっくりと上がった・・・。
そして左腕も・・・。
私は両手の力を使って上半身を起こした。
そして、次は足・・・お願い・・・動いて・・・私の心の祈りに右足は反応しなかった・・・そして左有も・・・触っても感触がなかった。
私はそれでもベッドの上で俯せになると体を手の力を使ってベッドから落とし・・・両腕の力で身体を動かし・・・ドアの場所まで這った・・・。
僅か・・・数mの距離が、何百mにも感じた・・・。
ドアに就くと信を回したが・・・鍵が掛かってドアは開かなかった・・・。
私はそこでドアに背を預けると考えた・・・逃げる方法・・・そう・・・無造作に置いてあるあの大金を奪って逃げることを・・・そして、此処から逃げる為には彼を殺さなくてはならない事を・・・。
息が落ち着き始める時・・・私は決心した・・・。
私は絶対に生き延びてやるんだ・・・と・・・。
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