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「先生!お願いです!!エンタメ部の設立を!!」
「葛城~。しつこいぞ~。大体なんなんだエンタメ部というのは……」
「たくさんの人を楽しませる部活です!」
「随分と目的が曖昧だなあ、というわけで却下」
「じゃあ先生が顧問やってる野球部の目的ってなんですか?」
「野球技術の向上と精神面の鍛錬だ」
「それも「曖昧」じゃないですか?」
「お前は……」
先生は困らせてなんぼだと思うの。
だってその為に先生になったんでしょ?
「部員はいるのか?」
「まだいません」
「尚更却下だな」
「でも大体目星つけてるのでスカウトしてきます」
「ははは、スカウトマンか」
「私Manじゃないです、Womanです」
「……そこに突っ込むんだな、葛城」
楽しませないとさ、って思ったの。ふとね。
だって、最近の人たちって、みんな下向いてる気がしたんだ。
「お前は何をするんだよ、そのエンタメ部とやらで」
「私ですか?私はマルチに何でもやる気です」
「というと?」
「歌も歌います。踊りも踊ります。笑えるトークも出来るようになりたいですし、あとは……まあ、見てくれる方々が楽しんでくれるならなんだって」
「葛城、お前、成績もそこそこいいんだからそんなことにうつつを抜かしていていいのか?成績下がったらまずいぞ?」
「両立するに決まってるじゃないですか」
「……お前は本当に意志が固まっている奴だな……今どきの高校生にしちゃ珍しい」
「あれ?私褒められてます??」
「……。」
先生よ、大いに困りたまえ!
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