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「葛城」
「はい」
「お前、校長先生の所に直談判して来い」
「あ、なるほど、わかりました。行ってきまーす」
「ちょっと待て葛城ぃ!お前はどんだけ強心臓なんだ……冗談に決まってるだろ、そんなこと校長先生が許してくれると思うのか?」
そんなこと、ってひどいもんだ麻生先生は……
でも、校長先生って学校の長じゃん。麻生先生に頼むより手っ取り早いかも。
「先生、お忙しいところありがとうございました。どうぞ、野球部の指導の方へ」
職員室を立ち去ろうとすると、間髪入れずに麻生先生がこう言った。
「葛城!待て!校長室に行くつもりか!?」
慌ててる慌ててる!いやあ、麻生先生は面白い。
「失礼しました~」
「おい!待て!葛城!」
けっけっけ。
校長室へ走る私を麻生先生が追いかけて来たようだ。
しかし、もう私の手は校長室の扉をノックしていて。
「校長先生、わたくし2年6組の葛城彩葉と申します」
「ちょっと待てぇー!葛城ぃー!」
この二つの台詞が同時に廊下に響いた。
麻生先生は私の担任の先生だからね。
たぶんこれから頭抱えるんだろうなあ。
高校生なんだから、許されるよね、これくらい!
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