8 黒い男

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 それからしばらくは、特に大きな出来事もなく、穏やかな日が続いた。  2人のコンビネーションがバッチリなので、餓鬼や悪鬼を倒すのも、最初の頃より、かなり短い時間ですむようになったし。  もちろんオレと慧の仲も、順調すぎて怖いくらいだった。  今夜も、オレは慧の家に「お泊まり」で。  さんざん愛し合った後、オレは、慧の腕の中でうっとりと目を閉じていた。 (もういっそのこと、ここに住んじゃいたいなぁ……)  そう思ったことは、これまでにも何度かある。が、 (でも、そうするのは、やっぱりオレが一人前になってからだよな)  オレはいつも、自分にそう言い聞かせて、その思いにブレーキをかける。
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