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「紬(つむぎ)!いるか?」
20代くらいの中性的な容姿の男性がある部屋の障子を開けながら呼びかけた
その言葉とともに腰まで届く長い黒髪をもつ美しい少女が顔を出した
「御影(みかげ)さんどうしたんですか?」
愛らしい少し紫がかった大きな黒目を真っ直ぐに男性に向けながら聞いた
彼はとても神妙な面持ちで口を開いた
「紬、高校に行ってみないか?」
「え?」
驚きの声が漏れる
そしてすぐに少女の表情に影が落ちた
「……でも…それじゃあ…」
目元に涙が浮かぶ
「…御影さんの側に…いられないんですか…?」
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