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「シューくん、何なの、あれ! 塗料!?」
きらりはシュプルイアの方を見て言った。
「ペイント弾のしぶきである」
シュプルイアは少しだけきらりを見た。が、すぐ正面に視線を戻す。
きらりは体をひねって横の窓から外を見た。両手でひじ掛けをつかんでいるが、じっとりと手に汗がにじむ。
飛行機の翼にいくつも穴が空いたらしい。燃料と思われる液体が細くほとばしっていた。
きらりの顔からいよいよ血の気が引いた。背中も氷を入れられたかのように冷えてくる。
相手の飛行機はいったん撃つのをやめた。
きらりたちの飛行機は宙返りした後、再び水平に戻った。
相手の飛行機が再び撃ってくる。
「撃つな! ぼくはゲルハルト王家の第1王子、シュプルイアであるぞ!!」
シュプルイアは正面のマイクに向かって叫んだ。
相手の銃撃は止まらない。
「全然聞く耳持ってないよ!?」
きらりはシュプルイアと窓の外を交互に見た。
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