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「王子様、ここはいったん逃げる、なのです!」
マキャイナが首をまわしてシュプルイアの方を見ようとした。
シュプルイアは素早くきらりとマキャイナを見た。が、すぐに顔を正面にもどす。
「撃つなというに! なぜ反応しない!?」
シュプルイアはマイクに向かってどなった。
相手から返答はなかった。
きらりは窓に顔をつけ、後方にいる機体をどうにか見ようとした。
窓の端ぎりぎりで機体の一部が見えた。
「その昔、伝説の飛行機乗りがいて、ただの一滴もペイント弾を浴びなかったという」
唐突にシュプルイアは言った。
「そういう話は今しなくてもいいんじゃない!?」
きらりはシュプルイアの方を向いた。
「そうか?」
シュプルイアもきらりの方を向いていた。笑みが浮かんでいる。
「ペイント弾を浴びるほど下手くそと言える、なのです」
マキャイナも首をまわして話に加わった。
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