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きらりたちの飛行機はまっすぐその雲のかたまりに飛び込んだ。
次の瞬間、機体の腹が島の地面にぶち当たった。
衝撃で機体が大きくバウンドする。
機体はそのままガリガリと地面をこすりながらすべっていく。
きらりはぎゅっと目をつむった。汗ばむ両手で左右のひじ掛けをつかんだ。
機体は上下に激しく揺れながら地面を走り続けた。
マキャイナの言った通り、シュプルイアの運転技術は下手くそだった。
機体の走るスピードはだんだんゆるんでいく。
やがて機体は止まった。
「た、助かった?」
きらりはそっと目を開けた。
機内は一見、無傷に見える。窓も壁も傷ひとつない。
「助かったかどうか微妙だな。機体が地面にめり込んだようだ。メインのドアが開かない」
シュプルイアは横の窓から外を観察していた。
窓の外には青空が広がっていた。
マキャイナは手早く自分と人形のロープをほどいた。
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